2019年12月6日、(株)オーシャンアイズが、京都大学イノベーションキャピタル株式会社(以下、京都iCAP)及びJAMSTECからの支援が決定したことを受け、京都アカデミアフォーラムin丸の内(東京)にて、記者発表会を開催しました。記者発表の模様をお伝えします。

取締役の笠原秀一が登壇し、司会、発表を務めました。冒頭、オーシャンアイズが課題として掲げる水産業の現状と、既に世界の潮流となっている「管理漁業」についてのご説明並びに、オーシャンアイズ設立の経緯について改めてご説明させていただきました。

次に、京都大学イノベーションキャピタル株式会社及びJAMSTECからの支援について発表させていただきました。

京都iCAPを無限責任組合員とするイノベーション京都2016投資事業有限責任組合は、11月29日にオーシャンアイズに対して約3,000万円の投資を実行。これはオーシャンアイズにとって初の外部資金調達となりました。

またJAMSTECの知的財産を活用している関係で、「JAMSTECベンチャー」の認定を受けたことも発表しました。JAMSTECベンチャーとしての認定は、弊社が3例目となります。

これらの支援を受け、オーシャンアイズがかねてより開発とユーザー検証を進めてきた水産事業者向けサービス「漁場ナビ」を同日リリースしたことも発表させて頂きました。

「漁場ナビ」とは、独自に開発した雲除去技術や海況予測技術を用いて、表面海水温や潮流といった海況予測情報を漁業者に提供するサービスです。標準サービスで月額5万円(税別)からの提供としています。

現在の想定ユーザーは主に広域の海況情報を必要とする沖合・遠洋漁業者です。出漁前に港で最新の海の様子を示すデータを見ながら漁場を決定したり、タブレット端末を漁船に持ち込んでリアルタイムにデータを見ることができます。携帯圏内ならば出漁中もデータを更新することが可能です。携帯電話ネットワークの圏外となる遠洋漁業では、衛星通信網を経由した船舶内ネットワークを利用して更新していただきます。表示範囲は50~100kmという比較的大きなメッシュとなっています。

今後近海から沿岸にかけて操業する事業者向けメニューも検討しており、その際は表示するデータや海域を絞るなど、業態に合わせた内容で開発していく予定です。

最後に社長の田中裕介より挨拶があり「京都iCAP様からご出資頂いたこと、またJAMSTECからの支援についても、私たちの持つ学術的な技術を社会実装した上で、イノベーションを起こしてください、というご期待を頂いての出資だと思っています。そこに向けて更なる開発・展開を続けていきたい」と意気込みを述べました。また「今回、支援を受けて『漁場ナビ』を正式リリースすることができた。引き続きこれをもって現場の漁業従事者の方々のところへ行き、新たなニーズを頂いて、それに対応した開発を進めていくことで、水産業の発展に少しでも役に立つことができたらと思う」と今後の抱負を語り、発表会を締めくくらせて頂きました。

発表後には記者の皆様から、沢山の質問を頂きました。その中から、一部ご紹介します。

Q:競合サービスはあるのか? それとの差別化は?
A:弊社の「漁場ナビ」の大きな特徴は、リアルタイムに1時間ごとにデータを出せること、そして2km解像度でお出しすることが出来ること。似たようなサービスとして挙げられるものは存在するが、本サービスほどは細かい時間間隔/メッシュでの提供例は無い。弊社の実装で初めて、沿岸漁業者様に利用して頂けるような内容になったと思っている。また雲除去技術の適用により、天候に左右されずに常に海況情報を見ることができるようになった。これらの点が差異と考えている。

Q:実証実験の過程で、漁獲の燃料削減や漁獲量が上がったなどのデータは出たのか?
A:現在まさに経済性が向上したかどうか確認するためのデータを取ろうとしているところ。βユーザーを絞り込んで協力のお願いを取り付けている。今までの実証実験で取得してきたデータは、主にサービスそのものに関わる内容だった。

Q:操業データの提供により漁場予測ができるとあったが、データは何年分必要なのか?
A:実際に現状、頂いている操業データは、多いところでは10年分程。少ないところもある。少ないなら少ないなりに、そのデータで機械学習することはできるが、データ量によって精度が変わってくる。現状のデータ収集についての課題としては、位置情報が入っていないこと(○○沿岸、○○沖、○○の岩礁の先、などの記述のみ)、鉛筆で書いたメモ書きのみ(電子データが無い)、というようなことがボトルネックになっている。

全体質問はもちろん、個別にも沢山の質問を頂きました。またリリースしたばかりの「漁場ナビ」についても興味を持って見て頂けたかと思います。

リリース発表後、フォトセッションの様子。

ご来場頂きました皆様、ありがとうございました。

(文章 かのうよしこ)