▼「漁場ナビ」「SEAoME」を支える技術群

海洋シミュレーション技術

海の物理モデルに基づく広域海況予測

  • 大型コンピュータを用いて物理モデル計算を行うことで広い範囲で海水温などの海況を予測する技術です.SEAoMEサービスや,漁場ナビの海況予測に使われています.
  • 広域の海況予測は,気象衛星や観測ブイ,観測船が観測した環境データを海の物理モデルに基づいて最適化するデータ同化という技術を用いて得られます.
  • この計算には大量の計算機資源が必要となるので,最新のスーパーコンピューターが利用されています.
  • 海況予測は主に各国の公的機関が提供していますが,一般的にはまだ10キロメッシュの解像度での予測が主流となっています.オーシャンアイズの技術では,最大14日先までの海況を約2キロメッシュの解像度で予測できるようになっています.今後,更に解像度を高めた物理モデルでの予測を開発する予定です.

OnSpot海況予測

  • 海の物理モデルに基づく海況予測は高精度ですが,漁船の操業に直接利用できるような,100m単位の極めて細かい範囲の予測は困難でした.オーシャンアイズでは,漁船などの船舶に搭載したセンサからのデータを利用して,従来2-10km単位だった予測範囲を,100m単位のより細かい範囲でも実現する技術を開発しています.この技術をOnSpot海況予測といいます.
  • この技術により,より詳細な漁場決定や網入れのタイミング決定など,漁業活動により役立つ情報が提供できるようになります.

海況パターン解析技術

衛星画像からの雲除去 (等温線図の自動作成)

  • 衛星海水温画像から高速に雲を除去し,いち早く等温線図を作成します.
  • 海面漁業の現場では,どの海域に出漁するかの決定が,水揚げや燃油消費に影響する重要な意思決定事項になります.漁場の決定には,公的機関などから提供される等温線図が広く利用されています.
  • このように,海水温度は漁場決定に利用される重要な情報ですが,今は人が手で描いています.また,表面海水温は気象衛星で観測できますが,雲で遮られてしまうので,すべての海域の海水温がすぐに入手できるわけではありません.
  • そこでオーシャンアイズでは,衛星が観測したデータで作成した海水温画像から高速に雲を除去し,いち早く等温線図を移動作成できる技術を開発しました.
  • 深層学習系の画像復元技術を利用することで,従来よりも計算コストを大幅に削減するとともに,等温線図の作成自体を自動化しています.これにより提供の頻度や更新のタイミングが大幅に改善され,漁業の効率向上に大きく寄与できるようになりました.

漁場の推定(ベテラン漁師の経験 × パターン解析)

  • 漁業現場では,等温線図などを参考に,ベテラン漁師が経験と勘で出漁する海域を決めています.
  • しかし,漁業者の高齢化や減少により,こうした漁場決定の技能が継承できなくなってきています.その結果,経験の少ない若い漁師とベテラン漁師の間の水揚げには大きな差が生じる,という事態も起きています.
  • オーシャンアイズでは,漁獲データと海水温分布のパターン認識を行うことで,ベテラン漁師の能力を模倣し,良く獲れる漁場を推定する技術を開発しました.